あるがままのアートをみてきた I

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そもそもなんでこれに興味を持ったのかというバックグラウンドを書きますかね。

普段社会人として十数年働いて生活しているわけですが、このまま消費と生産の合理化を進めていくと全てを失うな、という肌感覚があって、一体どうやって生きて行ったらよかんべ、という漠然とした思いがあったわけです。

自分のやりたいことですら仕事に置き換えられがちな昨今、もはやどうしようもなく無茶苦茶無駄なことをするしかない、そう思ってました。そこで始めたのがアイロンがけです。家族のシャツを毎日アイロンがけする。妻には「そのシャツは明日も着るからアイロンしなくていい」と言われてもやる。なぜか?心地よいからです。アイロンをかけるとピシッとするのがいい。アイロンをかけながらニュースを見るのが好き。アイロンがけした暖かいシャツを畳んで並べるのが好き。

ある日アイロンをかけながら、E テレでやってた「人知れず表現し続ける者たち I II III」を見た。僕にはこの人たちのありようがうらやましく思えた。ハンディキャップがある分、選択肢が少ないので、そこに到達できる可能性が高かったように見える。これは相当歪んだ見方だと思う。そこに至りたかったわけではないというのもあるとは思う。だがそう思ってしまった。人間は誰しもが、三大欲求以外に何かすると心地よいと思うそれぞれのスイートスポットのようなものがあり、そこを探し突き続けることこそが、生きることなんじゃないのか、とまで思ってしまった。そしてそれが必ずしも社会に適合するとも限らないが、なんとか、なんとか合わせてやっていくしかない。

その考えに至ってから、そのコンセプトを他に展開しようと思って、こんなことをやった。

markiii.hatenablog.com

長いし読みづらいので簡単にいうと、食器を洗ってから棚にしまうという間に、食器をテーブルに並べるというアクションを挟んだ。先のブログではいろいろ書いているが、端的にこれが心地よいからやっているのだ。今もやっているし、それがモチベーションにすらなっている。

他にも洗濯物の干し方を変えたとかあるが、とにかくこのコンセプトは素晴らしいものだと思っていたので、展覧会があると聞き、これは生で見なきゃと思って行ったのだ。何かまた新しいことがあるかも知れない。

長くなったので、展覧会で感じたことは次に書きます。